衝撃の巣箱

家からのマラソンコースの途中に、憲政記念館がある。
最初は近寄りがたかったのが、中には緑があって気持ち良さそうなので、
一度入ってみたところ、慣れるに従ってだんだん通るようになっていったのだが、
とある日、建物正面の大きな木に場違いなように鳥の巣箱が取り付けてあったのが目に入った。

近寄って見ると、なにやら蛇やら、目玉やらヘンテコなものが描かれてあって
おそよ鳥が入るような巣箱ではない。
そもそも、つるつるの巨木に隠すものがなければ鳥など入るのだろうか。
さらに近づいてみると、見覚えのある字と名前が。
なんと、息子の作った巣箱ではないか!
そして、蓋の上には環境大臣のサインが。
そういえば、何かの代表に選ばれたとかなんとか言ってたな。

うーむ。これは、どうしたものか。
鳥が入ってから、息子に報告するべきか、それとも、見たことを言うべきか。
後日、息子と同じコースをマラソンしていると、
「あっ、ここ、見覚えがある!」
と息子。

そうだろ、そうだろ。
なんてったって、代表で植樹ならぬ、植巣をしたのだからな?
すると、息子。
「ここって、ジュースが安いんだよね!」

そうじゃないだろ。もっと、いいものがあるだろ。
木の目の前まで連れていってようやく息子が思い出す。
蛇に見えたのは、餌の毛虫のつもりだったらしい。
聞くと、毛虫の模型を、専門の職人さんから借りてデッサンしたのだという。
どうりで、蛇のようなダイナミズムが出てたのね。

(内藤まろ)

 

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ちょっと奇妙な外国人

外国人に、よく道を聞かれる。

イタリア系? とか、スペイン系? とか、言われることが多いので、欧米系から話しかけやすいのだろうと思いきや、聞いてくるのは、決まってアジア系やブラジル系。

それも、かなり向こうの方から目的を定めて寄ってくる感じ。もしくは、家を出たすぐのところで、待ち構えている感じ。言葉がわからないのかと思いきや、途中で流暢な日本語を話したりする。それだけ話せりゃ、何でも知ってんじゃないの笑? 本当に誰でもわかるようなすぐ目の前の店を聞いたり(まあ、わかんないこともあるけどさ)、マンションのエレベータ前で常に玄関のドアを開けて待っていたり、国籍を尋ねると明らかにアジア系なのにロシア国籍の子持ち女性だったり。

何か別の目的でもあるのかな?
まさかね。笑

内藤まろ

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部屋にまつわる音のこと。その1。

「初回」を除き、ほんわかした子供ネタを中心にしていたブログだが、今回は怪談のような話をひとつ。

二、三年に一度は引越しを繰り返してきたせいで、住居のことでは、本当に様々な経験をしてきたが、(そのおかげで以前はさほど興味を持てなかった建築の勉強にも身が入るようになったが笑)、今回は特に「音」にまつわることについて。

「音」についてのトラブルといえば、上下左右からの騒音、壁ドンなどがありますが、(ちなみに、「壁ドン」は、本質的には嫌がらせを表す言葉を巧妙に隠す発明だったともいえますね笑)、現実にはその逆もあったりする。

そう。それは、とあるマンションに住んでいた時に、下階の住人から「音がうるさすぎて、生活できない」といった苦情を執拗に受けていたことがある。その住人は年のいった自称DJ兼作曲家で、耳が異常にいいらしく、彼は、上階でこちらが普通に歩いていても我慢がならないらしかった。

だから、こちらの生活の全てがほとんど成立しなくなるところだった。マンションの管理人によれば、その住人は管理費などもずっと滞納していて、徴収に行くと包丁を持って暴れたりするらしい。そして、部屋に怪しい人物が出入りしているのを、幾たびも監視カメラが捉えていたらしい。

「とんでもないところに、あんた住んじゃったねえ」。管理人は、人ごとのように言うだけ。(今にして考えれば、この管理人もなかなかに怪しい。そもそも、それで管理費を徴収しなくていい理由にはならないし、単にこちらを怖がらせるか、諦めさせる方便だったのかもしれない)

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部屋または建築にまつわる「音」のこと。その2。

もちろん、そのまま諦めるわけにもいかず、幾度となく本人の住居まで訪ねていった。おそらく、十数回は行っただろう。ところが、行くたびに必ず不在。だが、奇妙なことに、友人や知人を家に残し、自分が外出しているときに限って男は現れるのだ。サングラスをかけて、人相を隠して。友人には、音のことと、男に家族または同居人が何人もいることを告げて脅すことを繰り返す。(毎回、その人数は違うのだけど)だから、特徴を尋ねてもよくわからず、友人は気味わるがり、こちらの不審は募るばかり。

朝、仕事から帰ると、恨みつらみが書かれた手紙が、玄関に貼られていたこともたびたびあった。「てにをは」の乱れた日本語と、妖怪漫画に出てくるような書体。疲れのピークに手紙を見るのは、そのたびに気は滅入ったが、それでもなんとか保てたのは、会社の泊まりや出張が多かったせいもあるかもしれない。

ところが、そんな日々にも、あっけなく終わりがくる。そこに住んでから一年半ほどが経過し、正月のあけて少したった頃。新しい管理人から、下階の人間が亡くなったことを知らされた。死後五日ほどで発見されたそうだ。身寄りもなく、死後硬直も進んでいたらしい。

では、あの出入りしていたという人間はなんだったのか。本当はほっとしたはずなのに、少しだけ彼の人生を不憫に思った。

さてさて、次なる永田町の新居では、上下左右に、いったいどんな住民が住むことだろう。

*追伸。ヨダかで働いていた長女が、このたびやっと社会人として羽ばたく。今だに親バカで、高いところと、電車のホームには気をつけろ、と常に注意している笑。9階に住んでいるので、いったい何を気をつけるのやら笑。

内藤まろ

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夢のヘラクレス

「誕生日プレゼントは、モノより生き物がいい!」
などと、息子が珍しく非草食男子的なことを言ってくれたので、ヘラクレスオオカブトを5月の連休に買ってしまった。あのカウンタックなどのスーパーカーと同じく、夢の「ヘラクレス」が、家で飼える時代がくるとは思いもよらなかった。

このヘラクレスオオカブト、これまで知っている日本のカブトムシのイメージとはけっこう違う。どちらかというと、フンコロガシに近いかもしれない。

夜通し木が軋むような音がしているな、と思って、息子と朝起きてみると、直径10センチはある丸太が、水槽の端から端まで運ばれていたりする。それだけではなく、分厚い木の皮がまるで鉛筆のように削られていたりする。

まるで、木こりだ。

あの尖った二本の角を土に突き刺して、丸太をぶんぶん振り回している姿を見てしまったこともある。じっと観察していると、なに見てんだよと、頭を闘牛のように上下する。ツノの挟まれようものなら、丸太のようにえぐられてしまうかもしれない。なかなかいい緊張感を醸し出してくれる。よほど、居心地がいいのか。図太いのか。蓋をあけていても、逃げようとはしない。そんなところも、およそムシらしくない。

こうして夏の黄金シーズンは、ヘラクレスが先に迎えた。少し遅れて息子の受験勉強が熱を帯びていった。ヘラクレスが働けば、息子もふんばった。それはまるでライバル関係のようにも見えた。

やがて9月になり、金色だった背中がすっかり黒色になると、ヘラクレスの方がいくぶん大人しくなった。人間でいえばおじいさんということらしい。そこで生きているうちに、ハレの舞台もいいだろうと、息子の幼稚園に貸し出しだすことにした。(あんまり元気すぎると危ないし、息子のいい経験にもなるし)

ところが10月になると、再び木こりとしてカムバックし、我が家に戻ってくる。
「ヘラクレスオオカブトって、不死身なの?」
そう息子に尋ねられたときには、
「そうだなあ。普通は6ヶ月くらい生きるものらしいけど、
 このヘラクレスは冬を越すかもしれないなあ」
と、笑ってこたえていた。

だからこそ、油断していたのかもしれない。息子の受験も、いよいよ佳境を迎えていたせいもある。
11月7日。息子の二次試験の結果が封書で送られてきた翌朝。ヘラクレスは、生きていた姿とまったく同じ姿勢のまま動かなくなっていた。その前々日くらいから、突然の寒波が襲っていたのに、つい後回しにしまっていたのだ。

数日後、息子と一緒に前の公園に埋めてから、ヘラクレスに敬礼。
しみじみと息子の成長ぶりを実感した楽しい7ヶ月間だったと思う。
それにしても、おもしろいやつだったな。
(内藤まろ)

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つかめたよ!

つかめたよ! 
朝から元気に娘が駆け寄ってきたので、
なにをつかんだのかと思えば、
握力を鍛えるハンドグリップで、テレビのリモコンをはさんでいた。
おいおい、それははさむものではないぞ。
そんなことはおかまいなしに、あらゆるものをつかんでは、
放り投げている。
今日も朝から好調のようだ。

そんな娘の最近のお気に入りは、
その辺にあるものを、片っ端から、
「はい、どうぞ」と、とってくれることである。
あるとき、娘の「はい、どうぞ」と声がしたので、顔をあげると、
バーベルをこちらに手渡そうとしていた。
ほんの数ヶ月前には、足の指の上に落として大泣きをしていたのに、
そんなことは、関係ないらしい。

つい先日は、娘がかぶりつきでテレビを見ていたので、
「⚪︎⚪︎ちゃん、近いよ」と何度かたしなめると、
ふりむいた娘の鼻から、体温計がぶらさがっていた。

意表をつかれて、笑い転げていると、
娘が大真面目な顔をして、こちらに近づいてくる。
そうして、そのまま抱きつかれると、今度は頬をかんできた。

内藤まろ

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熊本の皆さん、案じてますよ

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アイスクリーム

「きゃあ、ぜんぶたべちゃったのお!」

つれの声がして、また娘がおかしでも食べちゃったのかと思って

聞き流していたら、食べられていたのは自分が夜食用に買ってきたさば寿司だった。

目の前には残念な、食い散らかされた光景がある。

「だから、下においちゃダメなのよお!」

おいちゃダメって、うちには猿でもいるのか。

それにしても、箱の上からビニールで包装されているのを、

どうやって開けたのだろう。

と、そういえば娘は手先が器用だったことを思い出す。

つかんだら決して離さないほどの腕力があるし、指先の力はもっとすごい。

指で紙やビニールを突き破るのを、何度も見たことがある。

「⚪️⚪️ちゃん、すっごーい! うちの娘の1日分くらい飲んでるう!」

ある日、シッターさんの声を聞いて、何ごとかと近づいてみると、

娘がジュースのパックを一気飲みしているところだった。

喉を鳴らしながら、パックの底を180度、天に向けている。

大人の自分にすらできそうもないくらい、屹立させている。

そうして、完全に飲み干すと、

プハーッ、ひときわ大きな満足の声をあげた。

おっさんも顔負けどころか、ある種の清々しささえ漂っている。

そんな娘の、ぱんぱんにはりつめているお腹をなでて

「ここには、なにが入っているの?」

と尋ねると、

娘は、

「アイスクリーム!」

とこたえてくれた。

(内藤まろ)

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マンゴーうさぎ

子供ふたりを風呂に入れてから、ひとりで湯船につかっていると、
脱衣所で息子とつれの話す声が聞こえてくる。
すると、
「マンゴーうさぎぃ?」 
つれの素っ頓狂な声が耳に入ってきた。
「マンゴーうさぎじゃない!」
すかさず娘のツッコミが入る。
(最近、じゃない!というツッコミを覚えたばかり)
 
 なんだそれは、と思わず耳をそばだてていると、
「あっ」
 と、体を拭かれている息子が呟いた。
「マンゴーうさぎじゃなかった」
 なんなんだよ、おい? 
「まごうさぎだよ」
「まごうさぎ?」
 つれと一緒に、心でツッコミを入れる。
「ま、ご、う、さ、ぎ。まごのうさぎだよ」
 息子が大真面目で言うと、
「そうか。まごうさぎか」
 と、つれが本気で納得した模様。
 おいおい、本当に、それでいいのか? 
 すると、息子がとくい気に歌を口ずさみはじめた。
 
 わたしゃおんがくか、まごのうさぎ〜♪
 じょうずに⚪︎⚪︎をしてみましょう〜♪

 「山のおんがくか」にそんな歌詞あったか?
                   (内藤まろ)

 

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どうぶつゼリー

 息子とコンビに行ったところ、
 めざとくゼリーをみつけて手にぶら下げて戻ってきた。
 袋にはたくさんのどうぶつのイラストと、
 どうぶつゼリーの文字がかいてある。

「これって、どうぶつにあげるゼリーでしょ」
 息子が言った。
「ちがうよ」
「だからあ、どうぶつにあげるんでしょ」
 ははあ。こないだ、鹿に餌をやったばかりだから、
 どうぶつにあげるゼリーと勘違いしているのだな。

「これは、にんげんが食べるもので、どうぶつにあげるものじゃないよ」
 そう言うと、息子はしばらく混乱したような顔をしていたが、
 ゼリーを陳列棚に戻した。

 別のお菓子を買うことにして、レジに並んでいたところ、
「○○ちゃん、やっぱりどうぶつゼリー買ってくる!」
 息子がかけ出していった。
 そうして、息を切らして戻ってくると、
 手にはどうぶつゼリーがぶら下げられている。
 
 すると、息子が店中に轟く声で言った。
「すいませーん、これって、どうぶつにあげるゼリーじゃないんですかあ?」

 問われて困惑する店員と、含み笑いをする客。
「わかった。とりあえず、これを買うとしよう」
「パパ、ありがとう!」
 こうして、わが家には、どうぶつゼリーがある。
                (内藤まろ)

 
 
 
 

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