どうぶつゼリー

 息子とコンビに行ったところ、
 めざとくゼリーをみつけて手にぶら下げて戻ってきた。
 袋にはたくさんのどうぶつのイラストと、
 どうぶつゼリーの文字がかいてある。

「これって、どうぶつにあげるゼリーでしょ」
 息子が言った。
「ちがうよ」
「だからあ、どうぶつにあげるんでしょ」
 ははあ。こないだ、鹿に餌をやったばかりだから、
 どうぶつにあげるゼリーと勘違いしているのだな。

「これは、にんげんが食べるもので、どうぶつにあげるものじゃないよ」
 そう言うと、息子はしばらく混乱したような顔をしていたが、
 ゼリーを陳列棚に戻した。

 別のお菓子を買うことにして、レジに並んでいたところ、
「○○ちゃん、やっぱりどうぶつゼリー買ってくる!」
 息子がかけ出していった。
 そうして、息を切らして戻ってくると、
 手にはどうぶつゼリーがぶら下げられている。
 
 すると、息子が店中に轟く声で言った。
「すいませーん、これって、どうぶつにあげるゼリーじゃないんですかあ?」

 問われて困惑する店員と、含み笑いをする客。
「わかった。とりあえず、これを買うとしよう」
「パパ、ありがとう!」
 こうして、わが家には、どうぶつゼリーがある。
                (内藤まろ)

 
 
 
 

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